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製造秘話②CNF(セルロースナノファイバー)との出会い

wood-ness

更新日:2 日前





セルロースナノファイバー(Cellulose Nanofiber、CNF)は、植物由来のセルロースをナノレベル(数ナノメートル~数百ナノメートルの幅)にまで微細化した素材。



環境負荷が低いことから、次世代のバイオマス材料として注目されています。



2020年くらいに、化粧品成分・開発展で耳にしました。


セルロースナノファイバーって?一体なに?


もちろん、私も皆さんと同じく半信半疑でした。


原料会社からも「保湿性、増粘性を上げる役割。化粧品の機能を上げる脇役的な存在です」と説明され、あまり注目はしませんでした。


ですが、そのCNFという略語が私には何だかかっこ良く感じ、また次世代のバイオマスで、カーボンニュートラルな素材という言葉が頭から離れなかったのです。


そこで一からセルロースナノファイバーについて、調べ始めました。



植物

セルロースとは?


そもそもセルロースというのは、地球上で最も豊富に存在する有機化合物です。これは多糖類の一種で、セルロースは木や植物から取れる長鎖の炭水化物からなる天然ポリマーです。主に植物の細胞壁を形成する主成分として知られています。


セルロースの多岐に渡る用途。


・紙

・生地(レーヨンやアセテート繊維)

・食品添加物

・化粧品

・医薬品

・建材など


CNF(セルロースナノファイバー)は、セルロースをナノレベル(数ナノメートル~数百ナノメートルの幅)にまで微細化した素材です。




ナチュラルコスメ


CNF(セルロースナノファイバー)の化粧品への応用と機能的特徴


1. 保湿効果の向上

CNF(セルロースナノファイバー)は水分を抱え込む能力が高く、保湿成分の持続性を向上させます。


特長:

• 水分の蒸発を防ぎ、肌の潤いを長時間キープ

• ヒアルロン酸やグリセリンと併用することで、さらなる保湿力アップ

• 保湿力が高いのに、べたつかない仕上がりが可能


2. 肌への密着性向上

CNF(セルロースナノファイバー)の繊維構造が、肌表面に均一な膜を形成することで化粧品の密着性を高めます。


特長:

• ファンデーションや日焼け止めの肌なじみを向上させ、化粧崩れを防ぐ

• スキンケア成分をしっかりと肌に留めることで、美容成分の浸透をサポート

• メイクの持続時間を延ばす効果も期待


3. 増粘・安定化作用

CNF(セルロースナノファイバー)は水分を保持しながらゲル化し、粘度を高める特性を持っています。


特長:

• 乳液やクリーム、ジェルなどの粘度調整剤として利用可能

• 水系と油系の分離を防ぎ、安定性を向上させる(乳化安定剤として機能)

• 感触を調整し、なめらかで均一なテクスチャーを実現


4. UVカット効果(応用研究中)

一部の研究では、CNFが紫外線を拡散・吸収する特性を持ち、日焼け止め成分の補助として機能する可能性が示唆されています。


特長:

• UVフィルターの分散性を高め、均一なUVブロック膜を形成

• 光散乱効果により、肌へのダメージを軽減

• 化学的なUV吸収剤を減らし、低刺激な日焼け止めの開発が可能




CNF(セルロースナノファイバー)という一つの成分に、これだけの機能・働き・効果が期待できることに正直驚きました。


そしてこれらの機能は、一般的な化粧品だと石油由来や合成の成分が補うことも多く、その中には、発がん性や内分泌さく乱、アレルギーを起こす可能性のある成分も含まれます。


CNF(セルロースナノファイバー)は、植物から取り出した成分であり、肌や健康に有害ではない上、これだけの化粧品の機能を上げるのであれば、研究しないわけにはいかないと思いました。


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